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2016
12.14

直感に反する問題?

Category: 材力、構力
前回の記事で「趣味の構造力学」に掲載されている問題を採り上げたのは、この骨組の形を少しだけ変形するとなかなか面白い(と筆者が勝手に思っているだけだが)問題を作成できると思ったからである。

今回はそのようにして作った問題を紹介しよう。問題の後には解答も載せている。

前回の問題は、材応力(曲げモーメント・軸方向力・剪断力)図を求めることになっていたが、話を簡単にするために反力、しかも水平反力だけを求める問題とする。また、これは直感を試す問題なので計算を行う必要はない。

前回の問題をどのように変更するかというと、まず水平部材を下図のように伸ばしてプロポーションを変えた骨組とする。この場合も前回と同様、両端に水平反力が発生しないのは良いかと思う。


art143_fig1.jpg


次に"段差"の部分を中央から少しずらした下図のような形状へと変更する。


art143_fig2.jpg


この場合の右端の水平反力(反力は右向きを正とする)は、以下の5つのうちのどれに近いか?というのが問題である。あなたの直感はどの解を選ぶだろうか?

(1) -2P   (2) -P   (3) 0   (4) P   (5) 2P

答えは以下の通り:

正解は(1)である。実際に計算すると、2.3P ほどの反力が左向きに発生する(水平部材は圧縮を受ける)。鉛直方向に作用する荷重の実に2倍超の水平反力が生じるのである。

あなたが何らかの構造物のモデルを作成して解析を行った時に X 方向にしか荷重をかけていないにも拘わらず、Y 方向や Z 方向にそれなりの反力が出たとしたら、どのような要因を思い浮かべるだろうか?

板要素やソリッド要素も使ってモデルを作っているなら、ポアソン効果の影響かも知れない。はり要素だけしか使っていなければポアソン効果は入っていないので、そのようなことはあまり起きそうにないと思わないだろうか。しかし、上記の例は荷重を載荷していない方向にも大きな力が発生することもあることを示しているのである。

これはあなたの直感通りであろうか?「直感通りです」と言われればそれまでだけれど。。。



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2016
12.12

直感通りの問題?(解答編)

Category: 材力、構力
前回の記事の解答を以下に示そう。まずは二見秀雄氏の講評から。

◇ 講 評  二見秀雄

集まった解答の中には CD 材が AB 材と同じ側にある場合、すなわち次図のような1スパン1層ラーメン(末端錠定)と同様に考えて BC 材の中央に反曲点があるとしたものがありました。

art143_fig.jpg


しかしこれは誤りです。CD 材が AB 材の同じ側にある時は B 点と C 点との変角はその量もその符号も - 撓角法の規定によって時計まわりを正とすると - 等しくなりますが、両材が反対側にある時は両節点の変角は量は同じでも符号が反対になります(両材の撓度の関係もまた同様です。BC 材の撓度はどちらの場合も零です)。

ですから BC 材の曲げモーメントは一定にならねばなりません。したがってその応力図は問題1と同様です。BC 材の曲げモーメントが一定ということは、すなわち剪断力が零という意味ですから、本題の A、D 両端には水平反力が起こらないことを示します。

次に BC 材の軸方向応力は P/2 となるのを、P とした方が非常に多かったのには驚きました。常勝軍筒井君の解答は非常によい出来でしたが、この点が間違っていました。


上記の"問題1"とは、本問題の2つ前に掲載されているもので、本問題においてピン支持となっている右端がローラー支持である以外は全て同じ条件の骨組(つまり、静定骨組)の材応力(曲げモーメント・軸方向力・剪断力)図を求めよというものである。

本問題の答えは、上記の説明の通り、問題1の答えと同じになる。"BC 材の曲げモーメントは一定"に思い至れば、特に不静定の計算を行わなくても答えが求まるというわけである。

"BC 材の軸方向応力は P/2 となるのを、P とした方が非常に多かったのには驚きました"というところは筆者も同感である。"常勝軍筒井君"は、左端の鉛直反力がゼロという結果は何だかおかしいとは思わなかったのだろうか。

解答部分は以下。

次に解答を掲げます。僅かに立花・柏木・森島の3君しか完全なのがなかったのは遺憾でした。

(範 解)
本問題の条件およびラーメンの a-a 軸に対する図形上の関係より次の関係がある。

撓角     θB = -θC
BC材の撓度  R = 0

CB 材には剪断力を生ぜず(曲げモーメント一様なるゆえ)。よって A、D 支端には水平反力を生ぜざることは明らかなり。すなわち垂直反力のみ有する。ゆえに、本題は一次の不静定ラーメンなるも、水平反力 0 なるゆえに静定ラーメンと同一方法にて結果を求むることを得。すなわち下図のごとし。

と、ここで解答図を示さないといけないのだが、上記の説明を読めば応力図を描くのは容易と思われるので省略させてもらう(図を作りかけたが、曲げモーメントなどの符号の定義を書き込んだりするのが面倒になって挫折。。。)。ちゃんとした解答は、「趣味の構造力学」の p.124 を見られたし。



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2016
12.10

直感通りの問題?

Category: 材力、構力
武藤清・二見秀雄著「趣味の構造力学」には、昭和9(1934)年~昭和18(1943)年に「建築世界」に掲載された構造力学の懸賞問題が収録されている。見ると頭がクラクラするようなマニアックな問題が多い。懸賞問題であるから作る側もかなりひねったものを用意したものと思われる。

一方で普通の教科書にも載っていそうな比較的素直な問題も無い訳ではない。以下に紹介する問題(昭和10年8月号所収)もそのようなものの一つである。ただ、意外にもきちんと正解した者は少なかった("完全な解答者は僅かに3名")ようなのでここに紹介しておこう。

[問題] 
次のごとき材ABCDに力Pが加わりたる時の材応力(曲げモーメント・軸方向力・剪断力)図を求めよ。ただし断面は一様とす。


art142_fig.jpg


難しい問題かと身構えていたら肩透かしを食ったように思われたのではないだろうか。現在構造力学を勉強中の人は腕試しにトライしてみるのも一興かもしれない。

解答(二見秀雄氏の講評)は次回。。。


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