2015
12.25

3次元問題のモールの応力円(その4)

Category: 材力、構力
前回からの続き。

任意方向の n と(σ, t ) の対応関係を得るには、前回の議論と内容的に同じものを繰り返せばよい。前回は n3 が一定の場合を見たが、今回は n2 が一定の場合を考えることにする。

そうすると、"円錐"は、n を母線として、n と x2 軸とのなす角 β を一定とした作られるものとなる。下図では、n の終点の軌跡を茶色円で描いている。

Mohr4_fig1.jpg

茶円と赤円の交点、茶円と緑円の交点をそれぞれ C 点と D 点とする。また、C 点と D 点を結ぶ円弧(茶色太線で示す曲線)と前回の A 点と B 点を結ぶ円弧(黒い太線で示す曲線)の交点を G 点としておく。

C 点と D 点を結ぶ円弧に対応する(σ, t )が、下図の c 点と d 点を結ぶ曲線となるのは前回の議論と同様である。但し、赤円上の c 点を決める角 2β は、σ 軸の正方向から測ったものであることに注意されたい。

Mohr4_fig2.jpg

この図中の円弧 ab と円弧 cd の交点 g が、n = (n1, n2, n3) に対応する(σ, t ) を与える。円弧 ab の方は前回見た通りである。

円弧 cd の方の円も、前回の議論で添え字2と添え字3を入れ替えるだけでよいから、中心が青円と同じで、半径の二乗が (σ13)2/4 + (σ12)(σ32)n22 に等しい円である。これらの諸元を円と円の交点を求める公式に代入してやれば、交点 g を求めることができる。

以上で、最初に掲げた問題の答えまで辿り着いたのが、本来説明すべき記号の意味などについては脇に置いたまま、補足的な計算ばかりを追ってみた( σ の説明はよいかと思う。n は、応力が生じている面の法線ベクトルである)。

かなり雑な内容となっているので、正統な議論については、固体力学や連続体力学の本などを参照されたい(普通の本屋で見つけるのは難しいかもしれないが。。。)。今回の記事を書く際に筆者が参考にした Mase & Mase の連続体力学の本を以下に挙げておこう。

G. T. Mase, R. E. Smelser and G. E. Mase : CONTINUUM MECHANICS for ENGINEERS, Third Edition

3rd Edition では、Smelser も著者に加わっている。2nd Edtion では図が酷かったのだが、3rd Edition ではかなり改善されたようである。モールの応力円については、"3.8 Mohr's Circles for Stress"にある。

この本もそうだが、大抵の本では、初めに n12、n22、n32 について解いて、それらが非負である条件から(σ, t ) の範囲をまず求めている。また、本によっては、(σ, t ) 平面における σ 軸上の σ1 などの位置に τ 軸に平行な線を引いて、それから α だけ傾いた線を引くなどして作図しているものも多い。

さて、3次元問題のモールの応力円について知れば、先日の記事「モールの応力円の問題」のA君の解答が不十分であることがお分かり頂けると思う。A君が着目すべきは、3つある円のうち一番外側にある円であったのだが、それを考えていなかったというわけである。最大せん断応力が生じる断面の向きは、対応する n から求められる。

実は、この問題の元ネタは、上記の本の "3.9 Plane Stress" である。ここには、3つの平面応力状態とそれらに対応するモールの応力円が示されているので、興味のある方は参照されたい。


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