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2013
12.06

ダイアフラムと diaphragm

Category: 用語
横隔膜のことを英語では diaphragm と言うが、diaphragm という語は、囲いやフェンスなどの"空間を仕切る"ものを元々意味しているようである。 Online Etymology Dictionary では、その語源について以下のように説明している。

diaphragm (n.) : late 14c., from Late Latin diaphragma, from Greek diaphragma "partition, barrier, muscle which divides the thorax from the abdomen," from diaphrassein "to barricade," from dia- "across" (see dia-) + phrassein "to fence or hedge in." The native word is midriff. Meaning "contraceptive cap" is from 1933.

建築の分野で"ダイアフラム"と言うと、接合部付近で使用される補強用の板を思い浮かべる。実際、"ダイアフラム"の意味を建築学用語辞典で調べてみると、構造分野の用語として、

"箱型断面などの閉断面部材の形状を保持するために、内部に部材軸に直角に配置する板。曲げならびにねじりに対する断面形状の保持のために設けられる。"

と説明されていて、空間を仕切るというより、補強が目的と読める。これ以外の記述はない。

一方、AISC、FEMA、ASCE などのアメリカの設計コードに "diaphragm flexibility" や "Simple diaphragm building" といった用語が出てくるが、この diaphragm は上記のダイアフラムではなくて、"面内力を水平力抵抗系に伝達するもの(床など)"を意味している。

AISC 360-05 には、以下の説明がある。

Diaphragm : Roof, floor or other membrane or bracing system that transfers in-plane forces to the lateral force resisting system.

Diaphragm plate : Plate possessing in-plane shear stiffness and strength, used to transfer forces to the supporting elements.

"ダイアフラム"は2つ目の diaphragm plate を意味していることが分かる。日本語でも英語に倣ってダイアフラムとダイアフラムプレートと呼ぶようにすれば混乱せずに済むのだが。

"diaphragm"にあたる日本語としては、"構面"が近いようである。建築学用語辞典には、

"水平構面(horizontal diaphragm)"の説明として、"風や地震などによる水平力により、屋根面や床面などの水平面がゆがむのを防ぐための水平または水平に近い面。屋根面、ろく梁面、床面にブレース、面材などにより面内剛性をもたせる。"

とある。

ただ、両者は近いようでいて、ニュアンスは異なっているようだ。AISC では荷重の伝達機構と明記しているが、建築学用語辞典では変形抑制のための面としか書かれておらず、荷重の伝達について意識していないことが伺える。であるから、水平構面 = horizontal diaphragm というのには疑問が残る。

いずれにせよ、diaphragm plate も diaphragm も構造物を仕切ってはいるものの、空間を仕切ることによって生じる力学的な特性の方に主旨があるようである。

参考文献
1. 日本建築学会編 : 建築学用語辞典 第2版, 1999
2. ANSI/AISC 360-05 An American National Standard : Specification For Structural Steel Buildings, 2005.3
3. Online Etymology Dictionary

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