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2014
04.07

世界初の強震記録は?

Category: 地震工学史
世界で初めて強振動が記録されたのは、1933年3月10日のロング・ビーチ地震においてである、というのが一般的な見解のようだ。ここで言う強震記録とは、もちろん加速度記録のことであって、変位による記録ではない。変位による強震動の記録は、もっと早く1900年よりも前に既に得られている。

トリファナック(Mihailo D. Trifunac)の「75th anniversary of strong motion observation - A historical review」という論文では、ロング・ビーチ地震の際に記録された記念すべき加速度波形がカラー写真で掲載されている(Fig.11 Strong motion accelerogram - Long Beach Public Utilities Building.)。

カラー写真と言っても、元は黒インクのペンで描画されたものであって、とても鮮明とは言い難いものである。波形には濃い部分もあれば薄い部分もあるし、複数の曲線が重なるように描画されている箇所もあるので、かなり見辛いものである。同論文には、トリファナックの手によって補正デジタル化された加速度記録のダウンロード先が示されている(ロング・ビーチ以外にも、有名なエル・セントロやパコイマダムの記録もある)。

ロング・ビーチ地震以前の記録と言えば、前回取り上げた末広恭二の講演で紹介されている4つの地震においても加速度記録が得られている。2つは小さな地震であるが、あとの2つはそれなりに大きな加速度であって、特に4番目の西埼玉地震では 90(gal) 近い記録が得られているのであるから、強振動と呼んでも差し支えないように思える。

そもそも強振動とはどのように定義されているのかと疑問に思って調べてみたのだが、「○○gal以上を強振動と呼ぶ」といった明確な定義を見つけられないのである。もし、これまで明確に定義されていないとすれば、それは、その必要性が無いからなのであろう。

しかし、この2つの地震が、ロング・ビーチ地震よりも先に強振動の加速度波形が記録された地震として認定されるなら、扱われ方も大分変わってくるのではないだろうか。西埼玉地震など、筆者も調べてみるまで聞いたことも無かったくらいなので、名前を知っている人はそれほど多くはないと想像するが、記念すべき地震としてもっと多くの文献で取り上げられれば、名前も有名になるかもしれない。また、前回の記事のタイトルとした「名前のない地震」も名前を付けてもらえるかもしれない。

ちなみに、筆者が目を通した文献では、武村雅之氏による「地震と防災」に、石本巳四雄の加速度計で記録の採れた地震として、この西埼玉地震の名が挙げられていたが、それ以外では目にすることは無かった。


参考文献:
M. D.Trifunac : 75th anniversary of strong motion observation - A historical review, Soil Dynamics and Earthquake Engineering 29, 2009

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