2015
03.12

なぜかあべこべ

Category: その他
日本では重い物は「ドサッ」と落ちるが、英語圏だと「サドッ(thud)」と落ちる。。。今回はたわみ角法から横道に逸れたちょっとくだらない話。

ドイツなどのヨーロッパ諸国では、数字に使用されるドットとコンマがなぜか日本とは逆に書かれる。例えば、円周率は日本では 3.14 だが、ドイツでは 3,14 のように書くのが普通である。逆に千円を ¥1.000 のように書くのでかなり紛らわしい。

ベンディクセンのたわみ角法の本もそうなっているし、Eurocode のコードブックもそう書かれているものが多い。そもそも筆者が初めてこの表記法に出くわしたのは、DIN規格(ドイツ)の鋼材表に目を通している時であった。鋼材表だったおかけで、「何かおかしい」とすぐに思い至ることができたのだが。。。「コンマ何秒」という言い方があるので、日本でも同じような使い方していた頃もあったのかも知れない。

ヨーロッパでもう一つ思い出すのは、○と×の使用法も日本とは見事に逆になっていることだ。例えば、「該当する項目」には日本では○を付けるが、ヨーロッパでは×を付ける。これはドットとコンマの反転以上に驚いた。ユーロコードなどをこれから見る機会のある人は(遅かれ早かれ気づくことだとは思うが)注意されたい。アメリカなどでもそうなのかは、ちゃんとは確認していない。

ソフトウェアによくあるチェックマークもこの○×と同類かも知れない。Yesならチェックマークを付けることに最早違和感はないが、本来は×つまりNoと同じと捉えるのが日本流ではないだろうか。答案用紙の間違った答えに付けるマークなのだから。

以前取り上げたことのある東福寺正雄の「建築物の耐震に就て」という論文は面白い表記法で書かれている。カタカナ文なのだが、普通我々が平仮名で書くものが片仮名で書かれ、片仮名で書くものが平仮名で書かれるという「あべこべ表記法」(たった今、筆者が命名)になっているである。その一部を以下に示そう。

高層ナル弾性建築物ノ上層ハ地震ニ際シ其ノ震動極メテ大ナルベシ
之ヲ今回ノ経験ニ徴スルニ丸ノ内びるぢんぐ、郵船びるぢんぐ、有楽館、東京会館等ノ上層ハ(中略)其ノ震動ノ著シク大ナリシヲ思ハシム


ちなみに、上記の「今回ノ経験」とは関東地震のことを指している。

このような書き方は東福寺正雄の専売特許ではなくて、一時期流行った表記法だそうである。数ある数学書の中でも名著として知られる高木貞二の「解析概論」もこの書き方がされていたそうだ。「こぉしぃノ積分定理」とか「るじゃんどるノ函数」などなど。筆者の持っている「解析概論」は古本屋で購入したハードカバーの古色蒼然としたものだが、残念ながらこの表記法ではない。時代の流れとともに表記法も変更されたらしい。

この「解析概論」の件は、木下恂氏の「ソフトウェアの法則 コンピュータの利用技術とは」という本の中で紹介されていたものである。この本、タイトルからカタい内容の専門書かと思ってしまうが、さにあらず。UNIXやらプログラミングやらを経験した人が読むと思わずクスッと笑ってしまうようなことが多く書かれたライトエッセイである。
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