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2015
06.20

これもグリーンの定理

Category: 材力、構力
今回は材料力学で出てくるはりのたわみ計算の復習といった内容である。といっても、最近の教科書にはあまり出ていないかも知れない。

greene_fig1.png

曲げをうけるはり(の中立軸)を曲線 AB で表す。この曲線 AB 上の点 P に鉛直線を立てておく。そして、AB 上にあって点 P からの水平距離が x の点 a およびそのすぐ近くの点 b において AB に接線を引く。

「すぐ近くの点」などと書くと、数学星に住む数学星人からクレームが来そうなので、数学書からそれなりの表現を引用すれば、点 a と点 b は、"two consecutive infinitely close points" である。

上図に示すように、曲線要素 ab を円弧とする円の中心角を dθ とすると、dθ は二つの接線の傾きの差でもあるから、二つの接線が点 P に立てた鉛直線から切り取る線分の長さは x・dθ で表される。

以上を踏まえて、点 Q における接線を基準とする点 P のたわみ(下図の d )を求めてみよう。

greene_fig2.png

これは、点 a を Q から P まで連続的に動かしながら上記の"切り取る線分の長さ"を足し合わせたものであるから、下式のように書かれる。

greene_eq1.png

随分とたわんだはりを描いているが、例によって「はりの変形は微小である」という仮定を導入して、材料力学の初めの方で習う曲げを受けるはりの曲率の式(曲率は曲げモーメントに比例、曲げ剛性に反比例)を思い出すと、

greene_eq2.png

これを先の式に代入すると以下の式が得られる。

greene_eq3.png

この式の右辺は、ちょうど Q から P までの M/EI 分布の P 点回りのモーメントを求めていることになる。この式はグリーンの定理(第二定理)と呼ばれる。

実はウィルソン(W. M. Wilson)の 1915 年の論文に示されるたわみ角法はこの定理を基礎に定式化されているのである。論文中にはこの定理を言葉で記述した箇所("V. Fundamental Equation."の冒頭)があるのでそれを書くと、

部材が曲げを受ける時、中立軸内の任意点のたわみを、別の任意点において引いた弾性曲線の接線を基準に測ったものは、たわみを求める点回りの、それら二点間の部材の M/EI 図の面積モーメントに等しい。

分かりにくい日本語になってしまうので、以下の原文を見られたい。

When a member is subjected to flexure, the deflection of any point in the neutral axis from the tangent to the elastic curve at any other point is equal to the moment of the area of the M/EI diagram for the portion of the member between the two points, about the point where the deflection is measured.

ところで、「これってグリーンの定理だっけ?」とか「グリーンとは、あのグリーンのこと?」と思う人もいるかもしれないので、後日これについて補足したい。

参考文献:
W M Wilson, G A Maney : Wind stresses in the steel frames of office buildings, University of Illinois Engineering Experiment Station, Bulletin 80, June, 1915


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